韓国ドラマ 『スターの恋人』完全攻略ガイド〜月夜のノクターンを聞きながら…
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チョルスの母はクラブ歌手、父は母のバックミュージャンでした。父が先に去り、母もチョルスに金を渡し「これで本を買いなさい」と告げて去っていきました。チョルスは母のいない寂しさを本で慰め成長します。一方、マリは教師の父と母と幸せにくらしていましたが、ある日、両親の乗った船が嵐で遭難。マリは施設に引き取られ、思春期になると施設を夜逃げします。辛い幼年期を送ったそれぞれの思い出には、ノクターンがありました。
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美容院で働いていたところをスカウトされ、マリは女優デビューしました。その美しさと演技力で、とんとん拍子でアジアのトップスターに踊り出ます。恋のお相手もセレブばかり。俳優、映画監督、デパートのオーナーなど、一流の男たちとゲームのようにお付き合いしてきました。そんなマリにも、忘れられない恋があったのです。
チョルスは一生懸命、勉強して名門大学に入学。大学院に進んで文学を志す傍ら、国文科講師の職を得ました。それでも身体の弱い妹を抱え、貧乏暮らしは相変わらず。おまけに本ばかり読んでいたせいか、性格は複雑でプライドばかり高く金とは無縁。学生時代、恋人ウニョンが金持ちの娘と知って自分から別れを告げるほどでした。
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スタッフの前ではスターらしく面倒がってはいるものの、実はマリはファンレターを読むのが大好き。お昼寝中でも、スタッフが立ち去るとすぐに起きて読み始めます。ある日、ふと手にした手紙には、日本のアスカという住所が。気になって開けると、中には思い出深い写真が入っていました。マリは誰にも何も告げず、奈良県明日香村へ旅発ちます。
小説家志望ということでチョルスは、芸能プロダクションのソ社長に仕事を依頼されます。それはイ・マリの本のゴーストライター。報酬はとても魅力的なものでした。そんな時、恋人ウニョンが学費を払ってくれたことを知ります。プライドが傷つけられたチョルスは、ソ社長の依頼を引き受けてウニョンに金を返そうと決心します。
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韓国のみならず、アジアを代表するスターのイ・マリは、チェ・ジウと重なるというか、彼女そのもの。涙のラブ・ストーリーからアクション、ホラーでも大活躍。レッド・カーペットでの笑顔は、ドラマを超えたリアルさです。中でも時代劇のマリは、ファン・ジニのような艶やかさ。たった数秒のシーンですが、頭のセットだけで3時間かけ本格的に撮影されました。デビュー14年目にして、これがチェ・ジウにとって初の時代劇体験となりました。
『春の日は過ぎゆく』『オールド・ボーイ』など映画に主演してきたユ・ジテですが、ドラマの主演は初めてのこと。映画監督でもある彼は、今回のドラマ出演から多くのことを学んだそうです。「映画はワンカットをどのくらい完成度高く見せるかが勝負ですが、ドラマは密度を積みあげていくことが大事です。演技の醍醐味はドラマの方があると感じました」と自分がチョルスなのか、ユ・ジテなのか分からなくなるほど役に打ち込みました。
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トップ・スターが主人公のドラマ。ただでさえ華やかな世界に、本物のスターが続々とカメオ出演しリアルな輝きを添えてくれます。マリの華麗なる恋の遍歴が語られる上で欠かせないお相手として、青年実業家にシン・ヒョンジュン、自殺騒動を起こす映画監督にコン・ヒョンジン、共演して本気になってしまった俳優をキム・ジソクが演じます。さらにチ・ジニやイ・ドンゴンが、マリとスキャンダルが囁かれた俳優として実名で登場します。
チョルスとマリのそれぞれが向かった先は日本。チョルスの恋人ウニョンが学ぶ大阪芸術大学の他、奈良公園や明日香村、大阪天保山の観覧車、神戸の異人館などで撮影が行われました。このような観光名所や有名デート・コースの他に、ビデオ・ショップの韓流コーナーや、賑やかな街角など何気ない日本の日常の風景が描かれます。韓国ドラマにかかると、こんなにも印象的に映るとは! 改めて日本の風景の美しさを発見することでしょう。
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