韓国ドラマ 『トンイ』完全攻略ガイド〜正義の少女
粛宗が即位して7年。賤民の娘トンイは瀕死の高官を発見します。トンイが助けを呼びに行っている間に、その人は死んでしまいました。間もなく、トンイの父ヒョウォンが内禁衛(ネグミ)のソ・ヨンギに呼ばれます。ヒョウォンは賤民の身分ながら検死官としての能力に優れ、高い教養を身につけていました。ヨンギは身分を超えヒョウォンを信頼し大事な仕事を任せます。その日ヒョウォンが検死したのは、トンイが出会った高官でした。
宮廷では南人派という勢力と、西人派という勢力が争っていました。トンイが会い父が検死したのは司憲府のチャン・イクホンという南人派の高官だったため、犯人は西人派と推測されました。イクホンは死の間際にトンイに手のサインで何かを示し、トンイが助けを呼びに行ってる間に自分を襲った者の牌札をトンイの袋に入れました。
チャン・イクホン殺害の他に、都では両班の殺害事件が次々と起きていました。捕盗庁のソ・ヨンギは秘密組織「剣契」の仕業でないかと推測します。トンイの父ヒョウォンは剣契ではなく、南人派が怪しいとヨンギに伝えました。実はヒョウォンは「剣契」のリーダーだったのです。そのことは娘のトンイも知らない事実でした。
実際、イクホンや両班を殺害したのは同じ南人派のオ・テソクでした。テソクは手段を選ばず、劣勢の南人派を優位に導くために画策していました。そんな時にトンイは袋の中から牌札を見つけ、ソ・ヨンギに届けます。殺人犯の証拠が出てきて、ヨンギは剣契ヘの疑いを解きます。そして粛宗の信頼厚い父親に協力を求めました。
ソ・ヨンギの父は粛宗に事実を伝えようとしていました。自分の悪行が知られては困るオ・テソクは、ヨンギの父を慌てて殺害します。そして罪を剣契に着せました。チェ・ヒョウォンが逮捕され、ヒョウォンを信用していたヨンギは落胆します。父と兄が無実の罪で処刑され、一人ぼっちになったトンイは真実を探ろうと誓います。
- 淑嬪チェ氏はこんな女性
- トンイのモデルとなった「淑儀(スギ)チェ氏」は実在の人物で、下働きから側室へと異例の出世を遂げました。1670年生まれ。粛宗に見初められて1693年に淑嬪(スクピン)となり、息子永寿を出産しました。その子は2ヶ月で亡くなりましたが、1694年にヨンイン君(後の21代王の英祖)を産んだ後に淑儀に昇格。実際に仁顕王妃と仲がよく、チャン禧嬪からイジメられたと伝えられます。1718年に息子が王になるのを見ずに死去しました。
- キャラクターを新たに解釈
- イ・ビョンフン監督は71年に『チャン・ヒビン』で演出助手、88年に『朝鮮王朝500年−チャン・ヒビン−』の演出をしました。今回、粛宗とチャン禧嬪を再び描くことになり、新しい解釈を加えました。実際の粛宗は14才から自分で統治した賢い絶対君主で、「イギリスのヘンリー8世のように自由奔放でロマンティックな人物」と解釈。チャン・ヒビンは「幼い時から王妃になろうと決め、王と政治を論じるほど賢い女性」に描いています。
- 行き先不明のトラックのよう
- イ・ビョンフン監督が新解釈した粛宗に、チ・ジニは「王なのに、こんなにコミカルでいいのか」と心配していました。かつて『チャン・ヒビン』でチャン・グァンリョルが演じた粛宗は、カリスマ性のある重厚な人物。それに比べチ・ジニの粛宗は、親しみがあり庶民的。市場を歩き居酒屋で飲んだり活動範囲も広い。チ・ジニはこの王が気に入り、「行き先の分からないトラックの荷台に乗っているよう」と物語を楽しむようになりました。
- 時代劇の巨匠の得意ジャンル
- イ・ビョンフン監督の作品を見ていくと、韓方医学、工学、美術、音楽をよく取り上げます。『トンイ』の中盤は宮廷の楽団「掌楽院」が舞台になり、『イ・サン』の恋人ソンヨンは宮廷の「図画署」に所属。 『薯童謠−ソドンヨ−』の主人公は百済太学士の技術博士を父のように慕います。『ホ・ジュン〜宮廷医官への道』と『宮廷女官チャングムの誓い』は韓方医学が背景。その中で貿易商が主人公の 『商道−サンド−』は異色作かもしれません。