南十字島に住む少女、アゲマキ・ワコとその許婚であるシンドウ・スガタは、ある夜海辺に一人の少年が流れ着いているのを発見した。少年の名はツナシ・タクト。その少年は、『南十字学園高等部』に入学するため、身一つで泳いできたという。持ち前の快活な性格で順調に学園生活一日目をスタートさせるタクトだが…。
『綺羅星十字団』との接触から翌日。綺羅星十字団の総会が開かれていた。現在リーダー不在状態である彼らは、実質的に組織をまとめているヘッドの提案により、タクトの操るタウバーンを倒した者が、旅立ちの日まで組織のリーダーとすることを決める。そして早速、綺羅星十字団の『フィラメント』が動き出して…。
綺羅星十字団の総会では第4隊『おとな銀行』の代表である頭取が、サイバディの所有権が自分たちにあることを主張していた。その所有権をはっきりさせるため、タクトにおとな銀行のメンバーであるバンカーを差し向ける頭取。バンカーの操るサイバディ「ツァディクト」はスターソードと呼ばれる光の剣を有していた…。
ある朝、ワコが目覚めると周囲には誰もいなかった。不思議に思いつつも海岸までやって来たワコは、そこでタクトの姿を見つける。そして程なくタクトは「本土に行ってみる?」とワコに言う。だが、その言葉にワコは哀しそうに黙り込んでしまう。やがてワコは、彼女がこの島から出られない理由をタクトに話し始めた…。
南十字島にて原因不明の小地震が続発する。同じ頃南十字学園では、ヒナという謎の美少女が現れた。瞬く間に男子生徒たちの心を虜にしたその少女の身体からは、常に不思議な香りが放たれていた。やがて『夜間飛行』の面々は、ヒナの思わぬ正体と地震との関連性を知る。ヒナの動きを止めるため、タクトは彼女に近づくが…。
懐中時計が壊れてしまったタクトのためにワコは、スガタも誘って街へ繰り出そうとする。だが、ワコに突き放すような態度を取るスガタ。その日はスガタの誕生日。街でのデートの傍ら、ワコはタクトにスガタが自分の誕生日を嫌っていることを話す。それはスガタの家に伝わる王のシルシを受け継ぐ者の宿命が原因であった…。
スガタが王のサイバディ「ザメク」とアポリポワゼした翌日。昏睡状態に陥ったスガタを心配して、ワコは禊で祈りを捧げていた。そんな二人に対し、タクトは何もしてやれないもどかしさと孤独を感じていた。一方、“王の柱”の出現は綺羅星十字団の面々にも衝撃を与えていた。イブローニュはオンディーヌに戦いを命じて…。
スガタが目覚めた翌日。学校の風景はいつもどおりのものに戻ったが、タクト、ワコ、スガタの三人を取り巻く空気はどこかぎこちないものとなっていた。一方、その日の夕方開かれた綺羅星十字団の総会では、ザメクのスタードライバー誕生による重苦しい空気の中、一人余裕の態度を見せるスカーレットキスの姿があった…。
ある朝、タクトは“魔女っ子ミズノ”と呼ばれるヨウ・ミズノという少女と出会った。一方、綺羅星十字団では、ヘッドが一時隊より離脱することになった。代わりに第2隊を率いることになったのは、現在ザメクに握り潰された状態であるサイバディ「アインゴット」のスタードライバー、マンティコールという少女であった…。
球技大会の野球トーナメント戦に参加したタクトたち1組は、ミズノたちがいる2組と対戦。その中でミズノの双子の姉であるマリノと出会ったタクトは、持ち前の明るさでマリノにも親しげに話しかける。それを2組のタケオが敵意の目で見つめていた。そしてタクトはミズノより“大丈夫の呪文”というものを教えてもらい…。
綺羅星十字団の総会で、カナコがサイバディを私的に利用しているという噂をシモーヌは耳にした。献身的に仕えながらもカナコに複雑な思いを抱いているシモーヌ。それは自分の生い立ちと深い関係があった。カナコを追い落とすため、シモーヌは自らのサイバディ「ダレトス」をタカシに差し出してタクトと対決する…。
シモーヌの敗北により追い詰められた状況に陥った綺羅星十字団第4隊『おとな銀行』。その代表である頭取、カナコはついに自らの手でタクトを倒すことを決意する。自分が本気で戦えばタクトを殺してしまう。だが新しい世界のためにはそれも止むを得ない。数日の逡巡の後、カナコはサイバディ「べトレーダ」に搭乗して…。
学園きっての剣の腕前の持ち主であるベニオが、スガタに剣術の稽古を申し込んだ。そんな彼女にスガタは自分の代わりとしてタクトを相手に薦める。だが、ベニオの不思議な動きの前にタクトは試合に負けてしまう。スガタに執着するベニオ。その理由は、幼い頃彼に抱いた恋心とそれを諦めざるを得ない自らの環境にあった…。
サイバディの復元が可能になった綺羅星十字団では、サイバディ「アインゴット」の復元を行った。その頃演劇部『夜間飛行』では、次の公演で行う演目において、タクトとミズノのキスシーンが発表された。嬉しそうな表情でそれを報告するミズノに対し、自身もタクトに想いを寄せる双子の姉、マリノは複雑な思いを抱く…。
ミズノとマリノの母、フジノが南十字島に戻ってきた。自分たちを置いて男を追いかけていった母の帰郷に心乱すミズノとマリノ。そんな中、タクトがワコのことが好きなことを知ってしまうミズノ。連続のショックで、思いがけずマリノに心無い言葉を投げつけてしまったミズノは、母親が島にいる間本土にいようと決意して…。
家出を止めて家に戻ってきたミズノは、マリノの姿が見えないことに気づいた。結局夜になってもマリノは帰ってこなかった。翌日、化学実験室でケイトと出会ったミズノは、綺羅星十字団の地下遺跡へ連れ去られてしまう。巫女のサイバディ「メム」に乗せられたミズノはヘッドのサイバディ「レシュバル」に貫かれてしまい…。
海水浴にやって来たタクトやワコたちは、そこでケイ・マドカとアタリ・コウという、どこか一風変わった二人の少女たちと出会う。一方、その日の夕方行われた綺羅星十字団の総会では、なんとヘッドがすべての電気柩を破壊し、バニシングエージらの面々やタカシら胸にシルシを持つ者たちとクーデターを起こしていた…。
夏休み最後の夜、南十字学園高等部学生寮で催されたバーベキューパーティーで部屋を全焼させられてしまったタクト。一時スガタの家に居候することになるが、そこでタクトは、ワコと一緒に歌う幼い頃のケイトの写真を見つける。翌日、生活費を稼ぐために入ったバイト先で、タクトはケイトの思わぬ姿を見ることに…。
ワコの誕生日がやってきた。彼女を祝うため、タクトとスガタはカレーを作ったり街に繰り出したりと、久しぶりに三人で楽しい時間を過ごす。だが、ケイトのカラオケ店に行ったところで、彼らに異変が起こる。マドカとコウが、第一フェーズの力を使い、タクトとスガタに乗り移ったのだ…。
南十字島の空に虹がかかったある日のこと。カタシロは昔を思い出していた。それはヘッドがまだ“トキオ”と名乗り、島にはまだ自分の婚約者のソラがいた時のこと。トキオが描く絵に魅せられたカタシロは、ソラと共に彼と親しくなるが、三人の関係はすぐに壊れ始めていった…。
綺羅星十字団『科学ギルド』においてオーバーフェーズ・システムという新たな装置が完成する。それは、サイバディの状態を人為的に第三フェーズ以上のものに進めることができるという画期的なものであった…。
南十字学園祭にて、「夜間飛行」による演劇『神話前夜』が上演された。普通の人々には姿が見えないという不思議な少女クレイス(ワコ)に恋をした少年マルク(タクト)。そんな彼に対し、サリナ扮する“エントロピープル”は、かつてクレイスに恋をしたもう一人の青年コルムナ(スガタ)の話を聞かせて…。
ある日曜日の朝、スガタの様子はどことなく妙であった。その頃、ヘッドに不信感を抱くスティックスター、キャメルスター、ソードスターの三人は、一刻も早くタクトを倒そうと、それぞれ協力して動くことを決意する。そして、スティックスターたちは己の命を賭けて復元したサイバディを駆り、タクトへ襲い掛かり…。
理事長室にて長い眠りについていた少年、シンゴがついに目を覚ました。約束どおり自らのシルシをレイジに渡すシンゴ。その夜、ひが日死神社跡地にてケイトは密かにスガタと出会う。そしてケイトは、四方の巫女でありながら綺羅星十字団へ加盟した理由をスガタに話して…。
ついにひが日死の巫女の封印が解かれ、キング・ザメクが復活した。ケイトはその力でヘッドの野望を打ち砕くことを目論むが、ヘッドはサイバディ「シンパシー」の力を使い、なんとスガタごとキング・ザメクを乗っ取ることに成功する。スガタを救出すべく、タクトはタウバーンを駆りヘッドに立ち向かう!<br>