病が悪化した蕭憶情（しょう・おくじょう）は、万が一の時に備え、舒靖容（じょ・せいよう）への伝言を南楚（なん・そ）に託す。それは、沈沙谷で死んだはずの青嵐（せいらん）のことだった。その一方で、江湖一の刀鍛冶である殷（いん）家皆殺し事件に不審なものを感じた憶情は、事件の真相究明と伝説の名剣・国色剣の入手に乗り出すが…。

神兵譜の回収に向かった南宮無垢（なんきゅう・むこう）。彼を援護する任務に就いた黄泉（こう・せん）が、全身に傷を負い、命からがら聴雪楼へ戻ってきた。舒靖容（じょ・せいよう）に、無垢と神兵譜を守ってと懇願する殷流しゅ（いん・りゅうしゅ）。蕭憶情（しょう・おくじょう）は、殷府へ向かおうとする靖容を思いとどまらせるため説得するが…。

蕭憶情（しょう・おくじょう）に必要とされるため、地位を高めなくては――そう決意する池小苔（ち・しょうたい）。小苔に想いを寄せる高夢非（こう・ぼうひ）もまた、彼女のために領主の座を手に入れると宣言するのだった。そんななか、舒靖容（じょ・せいよう）は、南宮無垢（なんきゅう・むこう）を狙う刺客に対して、ある疑念を抱き始めていた…。

蕭憶情（しょう・おくじょう）は、国色剣を披露する会の差配を一任すると、舒靖容（じょ・せいよう）に告げた。病で弱っている自分が江湖の武芸者たちの前に姿を見せては、余計な波風を立てることになりかねないからだという。この決定を知った池小苔（ち・しょうたい）は、「私と靖容さんは、沈沙谷のことでわだかまりが」と憶情に切り出し…。

殷流しゅ（いん・りゅうしゅ）と南宮無垢（なんきゅう・むこう）は、殷家を襲った黒幕を蕭憶情（しょう・おくじょう）だと断じ、遠大な復讐計画を立てていた。２人が密談する現場を目撃した池小苔（ち・しょうたい）も、あえなく捕らわれの身となってしまう。一夜明け、国色剣の披露会が始まった。剣を携えて現れた流しゅが、言葉を切った時…。

高歓（こう・かん）との面談を終え、１人になった蕭憶情（しょう・おくじょう）を、突然、病の発作が襲う。咳き込む彼の背後に、何者かの気配が。剣を手に振り返ると、そこに立っていたのは、やはり匕首を携えた舒靖容（じょ・せいよう）だった。驚き、一瞬動きを止めた憶情だったが、あろうことか靖容の匕首はそのまま彼の胸へ…。

縄で縛られ巨木の枝に吊るされた葉風砂（よう・ふうさ）の体には、火薬までくくりつけられていた。秋護玉（しゅう・ごぎょく）率いる風雨会の攻撃をかわしながら、間一髪のところで風砂を救う高歓（こう・かん）たち。そこへ高夢非（こう・ぼうひ）らも駆けつけた。仮面の奥に光る護玉の目を見つめた夢非の脳裏に浮かんだ、ある男の姿とは…。

涙痕剣の主を殺すのは、問情剣の主。問情剣と涙痕剣の謂れを任飛揚（じん・ひよう）に語って聞かせる高歓（こう・かん）。それは、お互いの剣を交換して義兄弟の契りを結んだ２人の間に横たわる残酷な運命の糸を解きほぐすことでもあった。なんと、飛揚の祖父は、高歓の父を殺し、高家を没落させた仇敵だったのだ。驚く飛揚――その体に異変が…。

何者かに襲われ、気を失った黒衣の女性。目覚めるとそこは西啓（さいけい）の皇宮だった。彼女は、自分が西啓の皇帝・容斉（ようせい）の妹で西啓の長公主・容楽（ようらく）だと告げられる。脳に傷を負い、記憶を失っているが、北臨（ほくりん）へ嫁ぐのが嫌で皇宮から逃げ出したのだという。そして、容楽は容斉の手引きで再び皇宮を抜け出すが、逃げた先で不意に刺客に襲われ…。153

政略結婚のために北臨に向かった容楽だが、いざ到着してみると、結婚相手の黎（れい）王・宗政無憂（そうせいむゆう）は無礼な態度で、容楽との婚姻を断固拒絶する。容楽は「答えを出すのは半年後に」と妥協案を出すが、無憂の意思は固い。その裏には、父である北臨の皇帝との確執があった。そんな中、容楽は大切な客人として北臨での居所となる公主府に入る。154

公主府を抜け出した容楽は、容斉から密かに入手を命じられた兵書「山河志（さんがし）」を探すため、その拠点となる茶楼、ろうげつ（ろうげつ）楼に行く。一方、無憂はそこである汚職の証拠を受け取ろうとしていたが、証人となるはずの男は殺され、証拠の密書は偶然、ろうげつ楼の女主人・漫夭（まんよう）に扮した容楽の手に渡る。そこには、皇太子と吏（り）部尚書（しょうしょ）の不正が記されていた。156

陳（ちん）王・宗政無郁（そうせいむいく）は容楽から思いがけず好意を示されたことに戸惑い、何か裏があるのではないかと考える。一方、容楽は男装して香魂（こうこん）楼を訪れる。そこで、目当ての芸妓（げいぎ）・沈魚（ちんぎょ）の本当の身分を言い当て、彼女から情報を聞き出そうとする。その後、無憂に殺されかけた沈魚を助けた容楽は、彼女を身請けするとろうげつ楼に連れ帰る。148

容楽を辱めようとした余世海（よせいかい）の息子・余文杰（よぶんけつ）に罰を与えた北臨帝は、これが皇太子の陰謀だと見抜く。一方、無憂は亡き母・雲児（うんじ）が眠る思雲（しうん）陵を訪ねた後、ろうげつ楼へ。漫夭と碁の対局を楽しんでいると、突如、刺客たちに襲撃される。その時、漫夭を守ろうとした無憂は、女性に触れられないはずの自分が彼女には触れられると気づき…。152

とある客桟で目覚めた容楽は、前の晩に自分を救ってくれた見知らぬ男性に礼を言って公主府に帰る。その男性とは、南境の反乱を平定し、都に凱旋（がいせん）した北臨の将軍・ふちゅう（ふちゅう）だった。そんな中、容楽は黎王暗殺の疑いでろうげつ、沈魚とともに刑部に連行されてしまう。それは自らの身代わりに漫夭を犯人に仕立て上げようとする、皇太子の陰謀で…。155

北臨帝は、西啓の公主との婚姻を嫌がる無憂に、中書監（ちゅうしょかん）の娘・孫雅璃（そんあり）を娶ればよいと勧める。しかし無憂は漫夭に惹かれており、雅璃を娶る気持ちは全くなかった。そこで北臨帝は半年以内に「山河志」を見つけられたら、誰を娶っても構わないと約束する。一方、容楽はろうげつ楼にやってきた無郁の相手をすることになるが…。147

船の沈没で亡くなった人々を見て胸を痛めた容楽。彼女は無憂に連れられ黎王府にやってくるが、翌朝になっても無憂に執拗に引き止められたため、碁の対局で勝ったら帰らせてほしいと賭けを申し出る。そんな折、黎王府を訪れた無郁は、「船の沈没は事故ではなく汚職の口封じだ」と主張し、自ら汚職の元凶である皇太子の元に乗りこむ。154

黎王府に長居した容楽はろうげつ楼へ帰るため、無憂に別れの挨拶をする。そこへふちゅうが現れ、容楽は自分を助けてくれた男性が、無憂も一目置く将軍だったのだと知る。ふちゅうは官職売買について調べる無憂のために、李志遠（りしえん）の手がかりを持ってきたのだ。だが、無憂や容楽が李志遠の隠れ家へ到着した時、彼は余文杰の私兵に襲撃されていた。153

容楽の侍女の1人である蓮心（れんしん）に、敵に通じた間者だという容疑がかかる。しかし容楽は、温情で彼女を追放するだけに留めた。一方、余世海の誕生祝いに招かれた無憂は、皇太子やふちゅうなど重臣たちが一堂に会す宴席で、官職売買に関わる証人の名簿を突きつけて、余（よ）家父子（おやこ）を糾弾する。すると、彼らは漫夭を人質に取ったと無憂を脅して…。151

ホーの上司のチェンの策略でTIGのゲームアイテムの予約販売プロモーションが大失敗しそうになるが、ヤオの機転で事なきを得る。シア・コーらはこの一件で、ユンの企画した新ダンジョンが顧客から期待されているのを改めて感じるのだった。チュー・ナンとの再婚が認められたシェンは、次はシア・コーとユンの仲を取り持とうと張り切るが。

ホーとの食事中に酔っぱらったユンは、迎えに来たシア・コーと熱烈なキスを交わすが、記憶を失くして自分が誰とキスをしたかも分からなくなり、相手がホーだと思い込む。ユンとキスをしたことで気持ちが密かに高まるシア・コーだったが、TIGと佳沃（ジアオー）の親睦会の会場を、ホーが特別にユンの為に準備をしていたことを知ってしまい……。

恵沢（フイザー）社の新作PR動画がTIGの新ダンジョンとそっくりだったことから、機密漏洩の疑いがユンにかけられ、シア・コーはCEOとしてユンを停職処分にする。怒ったユンは疑いを晴らすために、恵沢社に乗り込むが何も手がかりは得ず、社内でも色々な噂が立ち始めてしまうのだった。そんな折、同僚のイーイーがユンに話しがあると訪ねて来る。

機密漏洩の犯人がみつかり、ユンの潔白が無事証明される。停職中に、シア・コーが自ら恵沢社に出向き調査してくれていたことを知ったユンは、シア・コーの自分への特別な優しさに気がつき始める。復職後、張り切って仕事に向かうユンだったが、投資元のドゥアンが資金投入を条件に、ユンを辞職させるようシア・コーに迫るのを聞いてしまう。

TIGを守るためにユンは辞職を決意する。そしてシア・コーに辞意を承認させるために、ホーと恋人同士のふりをすることに決め、「ホーを愛しているから」と言う理由で職場を去るのだった。一連の投資元の仕打ちに怒ったシア・コーは、ユンが犠牲を払ったにも関わらず、自ら提携を解消し、TIGは更に危機的状況に追い込まれていく。

共に失恋してしまったホーとヤオは、酔った勢いで一夜を共にしてしまい、ぎこちない関係になってしまう。一方、資金の問題でTIGが倒産寸前であることを知り、再び職場に復帰したユンは、会社運営のためにシア・コーが自分のマンションを売ってしのいでいたという噂を耳にして驚く。会社に寝泊りするシア・コーを心配したユンは……。

自分の部屋の隣にシア・コーを住ませることにしたユンは、シア・コーの部屋に足しげく通い、生活をサポートすることに。ユンの努力の甲斐があって、新ダンジョンの開発が急ぎ進められ、TIGには再び活気が戻り始めていく。そんなある日、シア・コーは過去の二人の出会いが偶然ではなかったことと、ユンへの想いをついに打ち明けるのだった。

ホーとヤオが交際を巡って言い争っていたのを偶然同僚に聞かれてしまい、噂が社内に広まってしまう。ヤオのことをかばおうとしたホーの行動が裏目に出て、二人は上司に呼び出されることに。その頃、新たなTIGの出資候補者である天格（ティエンゴー）社のチン会長の娘に接近する機会を得たユンは、シア・コーと共にあるパーティーに参加する。

ホーが不在の間に、ヤオは会社を辞職し姿を消していた。一方的に絶縁されてしまったホーは、すっかり落ち込んでしまうが、ヤオの行方を探すことを決意する。その頃、TIGには天格社から出資に向けて評価チームが調査に来ることとなり、そのリーダーであるジャン・スールイがシア・コーの親しい知り合いだということを知ったユンは……。

シア・コーとの復縁を強く望むスールイは、シア・コーの祖母に近づいて利用しようと策を巡らし、ユンにも自分とシア家が以前から特別な関係にあることを匂わせて、圧力をかけはじめる。スールイのことを心配するユンに、シア・コーは過去の二人の関係を説明し、これからは隠し事をしないと約束をして、ユンを安心させるのだが。

ユンがパーティー会場にシア・コーを迎えに行くと、会場内にいたシア・コーの祖母が倒れ、シア家の経営する明日（ミンリー）グループは危機と直面する事態を迎えることに。後継者候補となったシア・コーは激化する権力闘争に巻き込まれ、ユンとも自由に会えなくなってしまう。そんな折、スールイがシア・コーの婚約者だというゴシップが流れる。

酔ってスールイと口論となったユンを助けたシア・コーは、天格社とTIG社員らの前でユンが自分の婚約者だと宣言し、その場を切り抜ける。騒動の後、イーイーらに促され、ユンとの結婚を決意したシア・コーは、完璧な計画を立ててプロポーズをするが、ユンは結婚を受け入れず、ホーとヤオのカップルにも先を越されてしまい……。